「鉛筆」は実物を見せます。「すし」は写真。「鳥」などやや抽象度の高い語は、写真を見せると誤解を与えるおそれがあるので、絵のほうがよい。
「乗り物」などの語を導入するときは、具体物、例えば、飛行機、船、電車などの絵をホワイトボードに貼り、それらすべてを丸で囲んで、「これは全部乗り物です」として導入します。動詞の、「扱う(郵便局で切手を扱っている)「連絡する」なども同様に導入します。
中級になって、「抽象的」「抽象する」などのことばを導入するときも、これと同じことを行います。このくらいの言葉になると、理解には学習者の知性レベルも関わってきます。以前、「抽象」という言葉を教えたとき、そこにいた学生の反応を見て、「この学生は母国語の『抽象』ということばを知っているのかな。」と思った事があります。
「長い」は、例えば、長い鉛筆とちびた鉛筆を見せて。対応のある形容詞は必ず両方を教えて、別々に練習します。疑問文とその答え、自他動詞も同様に、一緒に導入して別々に練習します。
「食べる」などの動詞はアクションで教えます。「行く」「来る」「帰る」「覚える」「忘れる」など、アクションだけではわからせにくい語が最初期からたくさんでてきます。これらを教えるのには絵カードが有効です。