学校法人朝日学園 明生情報ビジネス専門学校

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連載第3回~初級の教え方~「直接法」その2

直接法での語彙導入

前の回で、直接法とは、ある外国語を教えるとき、その外国語だけを媒介語とする方法だと書きました。

今回は、直接法について詳しく説明します。

 

直接法は、新出の語彙、文型を既出の語彙、文型を使って説明し、それを積み重ねて、学習言語の理解を深め、その言語が話せるようにします。

 

まず、語彙の導入について説明します。次のことばをどう説明しますか?

まず、考えてください。

①鉛筆

②すし

③長い

④食べる

解答例

「鉛筆」は実物を見せます。

 

「すし」は写真を見せます。

同じ名詞でも、「鳥」などやや抽象度の高い語は、写真を見せると誤解を与えるおそれがあるので、絵のほうがいいです。

「乗り物」などの語を導入するときは、具体物、例えば、飛行機、船、電車などの絵をホワイトボードに貼り、それらすべてを丸で囲んで、「これは全部乗り物です」と導入します。

 

「長い」は、例えば、長い鉛筆とちびた鉛筆を見せます。

対応のある形容詞はまず両方を見せます。それから個別に練習します。

 

「食べる」などの動詞はアクションで教えます。

「行く」「来る」「帰る」「覚える」「忘れる」など、アクションだけではわからせにくい語が最初期からたくさん出てきます。

 

これらを教えるのには日本語教育向けの絵カードが有効でです。

日本語学校などでよく使われているのは、次の本です。

 

『みんなの日本語初級Ⅰ第2版絵教材CD-ROMブック』

『みんなの日本語初級Ⅱ第2版絵教材CD-ROMブック』

 

また、国際交流基金の「みんなの教材サイト」から、いろいろな絵をダウンロードすることができます。無料の登録制です。

荒川友幸
東京明生日本語学院 養成科主任
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